亀裂進展力問題
静止形状が
WΣ,
WΣ(t) となる連続体を考える. ここで
Σ,
Σ(t) は亀裂形状を表し,亀裂を除外した形状
W は同じとします.負荷
f の下での材料のポテンシャルエネルギーは
E(uD;f,D):=minv∈V(D)E(v;f,D)
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ここで
D=WΣ,
WΣ(t) そして
V(D) は
D で定義された関数の集合(空間)です.亀裂面で自由応力(Neumann条件)で同じ工学的環境なら
WΣ(t)⊂WΣ により
V(WΣ)⊂V(WΣ(t)) となります.そのため
u(t)=uWΣ(t) としたとき
E(u;f,WΣ)-E(u(t);f,WΣ(t))≥0
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が亀裂進展力になるというのが Griffithの理論です.さらに興味深いのは
が解の特異項だけで記述される点(Irwinの公式)です.工学的環境,たとえば,
f(t) が変化するときは理論の直接利用が出来ません.
亀裂進展方向問題
初期亀裂
Σ={(x1,x2): -a<x1<0,
x2=0} に対して屈折亀裂
Σα(t)=Σ∪δΣα(t), δΣα(t)={(x1,x2): x1=tcosα,x2=tsinα}
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に対して
t=0 での周応力
σrθ の最大方向を進展方向とする「最大周応力評価」,せん断モードでの特異項
KII(α)=limt→+0KII(t,α) がゼロとなる角度を計算する「局所対称評価」,そしてエネルギー解放率を最大とする角度をさがす「エネルギー解放率最大評価」とがあります.この3つの評価は異なるようです.
安定亀裂進展
ほとんどの亀裂進展は,始まると進展速度を増す不安定亀裂進展となります. しかし,工学的環境や(疲労破壊など)初期の亀裂ではゆっくりとした進展や停止が見られます.このような安定亀裂進展のメカニズムを知りたいと思っています.