科学研究補助金基盤(B) 「特異性を持つ連続体力学の数理研究」(#1934007) での主研究テーマです.

数理から見た破壊現象の分類

静的・準静的問題,動的亀裂問題,数値破壊力学,一般J積分理論    詳細

亀裂進展力問題

静止形状が WΣWΣ(t) となる連続体を考える. ここで Σ,Σ(t) は亀裂形状を表し,亀裂を除外した形状 W は同じとします.負荷 f の下での材料のポテンシャルエネルギーは
E(uD;f,D):=minvV(D)E(v;f,D)
ここで D=WΣ,WΣ(t) そして V(D)D で定義された関数の集合(空間)です.亀裂面で自由応力(Neumann条件)で同じ工学的環境なら WΣ(t)WΣ により V(WΣ)V(WΣ(t)) となります.そのため u(t)=uWΣ(t) としたとき
E(u;f,WΣ)-E(u(t);f,WΣ(t))0
が亀裂進展力になるというのが Griffithの理論です.さらに興味深いのは
-dE(u(t);f,WΣ(t))/dt|t=0
が解の特異項だけで記述される点(Irwinの公式)です.工学的環境,たとえば,f(t) が変化するときは理論の直接利用が出来ません.

亀裂進展方向問題

初期亀裂 Σ={(x1,x2): -a<x1<0,x2=0} に対して屈折亀裂
Σα(t)=ΣδΣα(t), δΣα(t)={(x1,x2): x1=tcosα,x2=tsinα}
に対して t=0 での周応力 σ の最大方向を進展方向とする「最大周応力評価」,せん断モードでの特異項 KII(α)=limt→+0KII(t,α) がゼロとなる角度を計算する「局所対称評価」,そしてエネルギー解放率を最大とする角度をさがす「エネルギー解放率最大評価」とがあります.この3つの評価は異なるようです.

安定亀裂進展

ほとんどの亀裂進展は,始まると進展速度を増す不安定亀裂進展となります. しかし,工学的環境や(疲労破壊など)初期の亀裂ではゆっくりとした進展や停止が見られます.このような安定亀裂進展のメカニズムを知りたいと思っています.

用語

応力拡大係数
亀裂先端近傍では解は u=uR+uS,uRH2(near Σ) と特異項 uS を持ちます.uS は亀裂先端近傍での極座標 (r,θ), -π<θ<πによる基底関数 r1/2fij(θ) を持ち,その係数を応力拡大係数と呼びます.